■開発後記

 
□第九回 「さあみんなもやってみよう ! 」

こんにちは。白金睦樹です。
この間、ちょっと思いついて、自分がどれだけエッチシーンを書いたのか数えてみました。
…浩君が5つ、石渡先生が同じく5つ、課長が4つ…と数えていくと、なんと30個 !
他にも、始めはホテルでヤるはずだったのが、場所が変更になって書き直したのとか、丸々ボツになったのとかがありますから、もっと多いでしょう。
よくやった、自分 ! と肩をたたいてやりたい気分です。ついでに主人公の中山にも、栄養ドリンクを贈呈してやりたいです。

でもそれだけいろんな相手と、いろんな場所&シチュエーションでやるには、僕の経験は乏しすぎまして、いろんな方にお話を聞かせてもらいました。取材といえば聞こえはいいですが、まぁ猥談に精を出したワケです。 幸い僕の友達には、自分の経験を話したがる猥談好きが男女を問わず多くて、本当に助かりました。
以下、とある女の子とのアイスクリームを食べながらの会話です。
「これさぁ、体に塗ってそれを舐め回す、なんていいかもねー」
「ああ、でもねぇ、ちゃんとシャワー浴びないと髪の毛がごわごわになって大変よ」
「え、ええ゛っっ !? やったことあんのっ ? 」
「うん。抹茶アイスだったから美味しかった♪」
「う〜ん、でもさぁ、どうせならレーズン入りのアイス使ってさぁ…、ぷふっ ! 」
「こんなトコにレーズンが、あぁんソレは違うわぁん、って ? あ、いいなソレ。今度やってみる、ありがとう ! 」
…礼を言うのはコッチの方です。そしてあのシーンが誕生したワケですが、皆さんは髪の毛につかないよう、気をつけてくださいね。

あと、伸一との初エッチでは、自分がイクのは二の次で、アナル処女や、アナルセックスに興味がない、という相手にアナルの悦びを教え込むのが大好きだという、自称「迷える衆生を極楽へと導くアナル菩薩」の友人に細かなテクを教えてもらいました。
それがまたねぇ…僕のつたない文章力では書ききれないくらい繊細で、さらにあまりにも手順が入り組んでいたため、本編ではカットせざるを得ませんでしたが、話を聞き終わって「お、お前ってヤツぁ…本当にアナル菩薩様だよ」と思わず手を合わせてしまったというくらい、凄い技だったんですよ。機会があれば、いつかどこかで公開してやろうと目論んでいます。

え… ? 僕の経験談、ですか ?
それは…ちょっと、恥ずかしいなぁ…。
えーっと、その…にょ、尿道にカテーテル…挿れられたコトあります、はい…。

まぁ盲腸で入院した時、どうしても寝たままでオシッコ出来ないと駄々こねて、ナースさんにぶち込まれたんですけどね。

あとは…そうですね、自分の体験を他のライターさんにネタにされた事もあります。
と言っても皆さんが期待しているような話じゃありません。
たまたま僕の本業である占いの話をしていて
「最近、心を病んでるお客さんが多いんですよねぇ〜」とか
「そういうお客さんが続くと、コッチまで体調悪くなっちゃうんですよー。精気を吸われちゃうんですかね、やっぱ」
なんて言ってたんですが、達也エンドで、まんまそういう話が出てきてて、ヤラレタ ! と思いました。


それではまた次回!シーユーアゲイン!


□第八回 「それぞれの生き方・それぞれのイき方 」

こんにちは。ナマコの踊り食いが食べてみたい白金睦樹です。
さて唐突ですが、皆さんは普段、どのようなオナニーをしていますか ?
まぁいろんなやり方があるでしょうが、十人十色というワケでもなく、大体似たり寄ったりなんじゃないでしょうか。
どうしていきなりこんな事を尋ねるかと言いますとですね、ぶっちゃけ、オナニーシーンに手こずったからなんですよ。
エッチシーンは、まだ相手がいますから、相手のキャラに合わせて恥ずかしがらせたり、逆にがっつんがっつんやらせたり、工夫のしようもあったんですが、オナニーは、ねぇ。
前作の『魂』の時、掲示板に「次回は、それぞれのキャラのオナニーシーンを入れてほしい」という要望があったので、今回はそれにお応えしたようなわけなんですが、いやはやまいりました。
主人公視点なワケですから、どうしても「覗く」というシチュエーションにならざるを得ないんですが、他人のオナニーをじっくり観察する機会などそうそうあるわけもないですし。
となると必然的に、自宅でこっそりヤる普通のオナニーじゃなく、人に見られても不自然じゃない、非常に非常識なシチュエーションでヤっていただかないとダメなわけです。
えー、でもなぁ…ビデオやエロゲーじゃあるまいしそんなヤツいねーよ…と散々悩んだ挙句、僕はある事に気づいてポンと膝を打ちました。
……そっか、コレってエロゲーなんだよね。
それに気づくと後は簡単です。オナニーの神様が降りてきたかのように、さくさく筆が進みました。
ジムのシャワーブース ? 全然普通ですね。会社のロッカー ? 人がいなけりゃノープロブレム ! カフェのトイレ ? トイレなんてオナニーするための場所ですよ !! 深夜の診察室 ? ポルノ映画のタイトルみたいで上等です !!!
とまぁそんな調子で書き進んでいたんですが、今度は違うポイントでつまづきました。

その1・家でまともにオナニーしてるヤツがいない。
いくらゲームとはいえ、誰か一人くらいまともに自分の部屋でヤるヤツもいないとねぇ。
その2・器具を使ったオナニーをしているヤツがいない。
ま、これはいなくてもいいんですが、バリエーションをつけるという意味でね。

でまぁ、武には家でヤっていただくのを、達也には道具使用を、それぞれ担当してもらう事にしました。
が、勢いというのは恐ろしいモノで、それまで散々非常識なオナニーを書いていたせいか、はたまたオナニーの神様がなかなか帰ってくれなかったせいか、武は「家で」というだけで「まとも」とは程遠いシチュエーションに、達也もまぁ、あんな風になっちゃいました。
特に達也の場合、原画家さんにヒジョーに迷惑をかけてしまったようで、「イラブンチャクってどんなモノですか ? 」「イラブンチャクを描いてみましたが、こんな感じでどうでしょうか ? 」といったメールを再三いただくハメになってしまったのです。
達也は沖縄出身という設定だと聞いていたので、沖縄と言えばイラブーだよなぁと安易にああいう名前をつけてみただけなんですが…。
でもま、なんか収録の際に声優さんに受けてたらしいんで、よしとしますか。


それではまた次回!シーユーアゲイン!


□第七回 「酸っぱいブドウ」

こんにちは。イラブンチャクで一発当てようと、ただいま特許の勉強をしている白金睦樹です。
さて、いきなりですが、僕はチョー現実派です。
占師なのに ? と思われるかもしれませんが、いろんなお客さんがいらっしゃいますからね、ええ…。いやでも現実的にならざるを得なかった、というところです。
ま、それはともかく、そんな現実派の僕としては、どうしても「そりゃねーだろ」感がぬぐえない事があります。
浣腸もせずにやらねーだろフツー?いえ、違います。
ちょっと占いの勉強しただけで、すぐに口コミで三ヶ月も予約がいっぱいにならないだろ ? そうです ! あ、いえ、違います。
まぁそれもありますけど、もっと根本的な問題とでもいいましょうか。
それは…ノンケとの「恋愛」です。

どうしてわざわざ「恋愛」の部分にカギカッコをつけたかと言うと、「セックス」と区別するためです。
残念な事に僕は経験がないんですが、ノンケとセックスするのは、相手によっては割と簡単なんだそうで。
「気持ち良けりゃ男でも女でもいい」というタイプの男性というのは意外と多いらしく、僕の友人も数人頂いた事があると言ってました。
ただ、その場合、あくまでこちらが気持ちよくしてあげるだけで、相手は何もしてくれません。
また、フェラチオされるのは良いけど、キスは気持ち悪いからヤだ、というパターンが多いそうです。
そりゃそうでしょうね。フェラチオや手コキだったら、目を瞑って好きな女の子や女優さんの事を想像してればいいんですから。
でもキスとなると話は別。気持ちよくもないし、ヒゲはじょりじょり当たるし、あー気持ち悪い ! てなもんです。
まぁそれがノンケのノンケたるゆえんで、好き好んで同性とキスしたがる男は、正確にはすでにノンケとは言えんでしょう。酔っ払ってキス魔になるタイプは別ですが…。

『潮』にも、ノンケは数人登場しますが、幸いにして堀ノ内課長は「気持ち良けりゃどっちでも」タイプだったので、エッチシーンも書きやすかったです。
が、思いっ切り手を焼かされたキャラが一人…。そうです。伸一です。
なんてったって、タイプの女のお客さんのオーダー取るだけでカチコチになっちゃうわ、違う意味でカチコチになっちゃって、仕事ほったらかしてトイレで抜いちゃうわ、ってヤツですからね。
そんな相手とエッチする方法というと、僕の乏しい想像力では、もう襲う以外に考えられません。で、ぶん殴られる、と。
哀しいかな、それが現実ってモンですよね。皆さんも経験あるんじゃないですか ? 僕はありますよ、えぇ。
ただ、それで終わってしまうと伸一ルートにハッピーエンドはナシ、という事になってしまい、だったらノンケなんか出すなよという話になってしまいますので、何とかああいうエンディングになったワケです。
う〜ん、でもどうなんでしょう。確かにバイセクシャルというセクシャリティも存在しますが、伸一の場合、あきらかにノンケですからねぇ。
そんな彼が、男と「気持ちいい事」は出来ても「恋愛」は出来るんでしょうか。

それを言っちゃあおしまいよ、ですが、個人的には、それってあり得ない話だと思うんですよ。
変な例えですが、納豆を生理的に受け付けない人でも、体にいいからと「食べる」事は出来るでしょう。
でもねぇ…「好きになる」事が出来るかと言うと、話は別だと思うんです。
とかなんとか言っておりますが、実は僕は、伸一ルートはレイプシーンと、最後のエッチシーンくらいしか書いておりませんで、レイプ以降の、仲直りからエッチに至るプロセスは他のライターさんが書いたんですが、そこらへんのトコロ、うまい具合に話を持ってってくれて感謝、です。
でもね、でもね、やっぱりノンケって、ノンケだからこそ美味しそうなんですよねー。
僕はヤンパパ風のにーちゃんにぐっとそそられる方で、動物園なんかに行っても、象さんなんか見ずに、「ほぉら象さんだぞー」とか言ってるヤンパパばっか見ちゃってますよ、えへへ。
はぁ…なんか書いてて虚しくなって来ましたが、ま、こういうのって、手が届かない相手だからこそ、永遠のロマンであり、憧れであり、ファンタジーなのかもしれませんねぇ…。


それではまた次回!シーユーアゲイン!


□六回目 「桐生さんの呪い」

こんにちは。『東海道五十三次忍び旅』の続きが気になって仕方ない白金睦樹です。
早いものでもう12月、季節はすっかり冬ですね。
冬といえばやっぱり怪談 ! というワケで、今回はちょっと怖いお話です…。

前にもここで書いたように、僕がストーリーからシナリオまで担当したキャラは三人程度ですが、それ以外のキャラに関しても、直接ストーリーに関係のないエピソードなどは、たんまり書きました。
「課長の調べ物」とか「バイト君のオススメビデオ」とか、そういった類のモノですね。
でも、僕が全くと言っていいほど関与していないキャラが一人だけいます。
それが…桐生さんなんですよギャー ! あ、まだここは怖いところではありません。

霊になって出てくるとか、ママが除霊するとか、いかにも占師らしいアイデアだなぁと思われた人もいるでしょうが、実はアレ、全く僕のアイデアではないんです。
桐生さん関係で僕が関わったのは、監禁ルートシナリオに、主人公と浩君、伸一の3Pと、主人公が伸一の傷を舐めてあげたり、浩君から唾をもらったりするシーンを書き足しただけです。
ただ…ただ重要な点で、ひとつだけ桐生さんには大きく関わりました。
それは…、名前です。
すべてのキャラのフルネームが決まってからも、桐生さんの下の名前だけは決まっていない状態で、しかもゲーム内では下の名前が登場しませんから、みんな忘れていたというありさま。
サイトでキャラ紹介が始まってから、ようやくそれに気づいた僕が慌てて考えたんですが…。
……桐生さんはああいう性格の人ですから、今にして思えば、まぁ、それが気に食わなかったんでしょうねぇ…。
それ以来…、僕に恐ろしい出来事が立て続けに起こるようになったんですよ、ひー!

例えば…こんな事がありました……。
あれは…蒸し暑い、夏の晩でした…。
僕は、石渡先生のシナリオの、最終作業をしていたんです…。
エッチシーンのシナリオは先にあがっていたので、それ以外の、出会いからエンディングへと至るプロセスをすべて書き終わり、ほっと一息ついたのは…、そうですね、朝の6時過ぎだったでしょうか…。
さてそのテキストを保存しようとした僕は…突然、理由もなく猛烈な睡魔に襲われました…。
そして、コピペしようとしたテキストは…、僕の目の前でさーーーっっと消えていったんです ! うわああぁぁぁぁっっ !!!
……間違えて削除キーを押したんだから当り前だと言われればそれまでですが、あれは絶対に桐生さんの呪いです !

その他にも…とりあえずシナリオが一段落し、さぁこれでゆっくり出来るぞうひひ、と思っていたまさにその時!
…追加で監禁ルートの3Pシナリオの依頼が来ました。
僕を衰弱させようという桐生さんの呪いに相違ありません!
また、それを書き終わって社長と話している時、何気なく「アレ、ローションの代わりに山芋使ったら面白いでしょうねぇ」
と口走ったせいで、その案が採用になって書き直す事になりました。
桐生さんが僕に憑依して口走らせたんです! 恐ろしい呪いです!絶対に!誰が何と言おうとそうなんですってば!

ほんの少ししか関わっていない僕ですらこうなのですから、桐生さんのシナリオを、がっぷり担当したライターさんがどうなったのか考えると、恐ろしくて恐ろしくて…。僕に出来ることといえば、ただ無事を祈るだけです…。

さぁ…、ここまで聞いてしまった以上、あなたも今から呪われ仲間です…。
この話を一週間以内に五人の人に話すと……きっとバカにされます!ギャー!

それではまた次回!シーユーアゲイン!


□五回目 「声ニ優レタヒトタチ」

こんにちは。
山芋は、すりおろすよりも短冊で食べるのが好きな白金睦樹です。
いやなんつーか早いモンで、この開発後記ももう五回目ですよ。
よくもまぁあれこれ書く事があったもんですよねー。
で、これまでシナリオの事ばかり書いてきましたので、今回はちょっと他の人達のお仕事について紹介してみたいと思います。
あっ、あの、決してネタがなくなったワケではありませんのでご心配なく。

あれは…、とある休日の朝。
仕事が休みなので、珍しく早起きして原稿を書いていると電話が鳴りました。(←さり気なくシナリオの仕事、頑張りましたとアピールしてます)
「はいー、もしもしー」と出ると、電話の向こうから「こだまとひびき、どっちがいいと思う?」という謎めいたセリフが…。
一瞬、いたずら電話かと思ったんですが、いや待てよ、このセリフ、どっかで聞いた、いや、書いた覚えが…。
そう思って混乱していると、
「もしもし。いま収録中なんですけどね、堀ノ内の声、こんな感じでどうでしょう?」
と社長の声が。
な、なんと、セリフの収録中だったんですよ!
その間も、バックからは、ピンとキリがどーしただの、くだらないの語源がどーだのといった「どーでもいいシーン@堀ノ内課長」のセリフが聞こえています。
『魂』の時は、出来上がって初めて声を聞いたので、収録中の声優さんの声を聞くというのは、僕にとって初めての経験でした。
僕は、堀ノ内課長の声よりも、自分の書いたセリフを声優さんが話しているという事実に感動していたのですが、いつまでもミーハーな感動に浸っているわけにもいきません。
正直、その課長の声は「豪快で体育会系の上司」というより、「優しい、部下思いのおじさん風上司」だったので「んー、優しそうでいいんですけど…。豪快な感じじゃないですねぇー」とかなんとか、生意気にも口を出したのですが、社長も同じような事を感じていたのか、「そうですよねぇー」という返事が返ってきました。
そして…その翌日だか翌々日だか、また電話がありました。
「この堀ノ内、どうですか?」
そのバックには、先日のように「なんだー、お前ー!いつからそこにいたーー!」などと言った声がしていましたが、どうも別の人みたいで、野太い声、豪快な話しっぷりは、前の声優さんに比べて豪快な上司のイメージにピッタリです。
「お、いいですねぇー!なんか堀ノ内、って感じじゃないですか」
「そうですか。じゃあコレでいきましょう」
…え?ええっ!?じゃあ前の声優さんはっ?もしかして…僕の一言でクビ?
一瞬焦りましたが、違ったんですねコレが。同じ声優さんだったんです。

まったく声優さんというのはすごい人達で、「声がいい」だけじゃないんですよ。「声を作っちゃう」んです。
しかも、その「作った声」で怒鳴ったり、優しく囁いたりと、演技するワケです。
表情や仕草で感情を表現できる役者さんに比べると、すごい技量が必要とされるんでしょうねー。

あ、そういえばこんな人もいました。
イメージが崩れるので、誰の役をやった声優さんかは言いませんが、地声がね、もーすっごくカワイイんですよ。爽やか好青年!って感じで。
で、その役柄っていうのが、これがまたカワイイとはかけ離れたキャラなんですね。
音声ファイルを送ってもらったんですが、
「はい、じゃあいきまーす。『ココはもうこんなになってるんじゃねぇ…』あ、すいませーん、『なってるじゃねぇか』ですね、はーい、すいません。はいっ、じゃ、いきまーっす!」
てな調子で、アレはちょっと笑えました。

あと「お前のちんぽはすけべだな」だの「ケツマンコがひくひくしてるぜ」などといったセリフも平然と読まれてしまい、顔を赤くしたのは僕の方でした。なんとなく敗北感でいっぱいです…。

それではまた次回!シーユーアゲイン!


□四回目 「悦楽シーンは辛苦シーン」

こんにちは。タバコはこだま派、の白金睦樹です。
なんかシナリオライターの代表みたいにいろいろと偉そうなこと書いてますが、このゲームのシナリオは分担作業でして、数人のライターで書いています。
一応、誰はどのキャラ担当、みたいなのがありまして、僕が本格的に担当したのは某先生と某役者志望クンなんですが、全体のストーリーを考えて、数シーンだけシナリオを書き、後は他のライターさんお願い、というのもあったりします。
ですが、オナニーシーンを含むエッチシーンだけは、なぜか十分の九、いえ、百分の八十六くらいまで僕が書きました。
エッチシーンがつまんねぇ!と思った方は、この白金睦樹を恨んで下さい。

ですがこのエッチシーンがね。もー大変なんですよ。
まず、ノンケの二十歳の男の子と、結婚してる四十男のエッチシーンが同列ではいかんでしょう。
やっぱ二十歳の男の子には初々しく、四十男にはおっさんくさく、ヨガってもらいたいじゃないですか、ねぇ?
だからまぁ、渋いオジサンにこんなコト囁かれたらたまらんぜ!とか、年下の男の子にこんなコトされたら、もーメロメロだぜ!
みたいな事をあれこれ妄想しながら文章にしていくわけですが、やっぱり相手を好きにならなきゃなんないんですよね。
あっ、もしかしてエッチシーンのシナリオがことごとく僕に回ってきたのって、僕が誰専だからだったのかっ!?
…ま、いいや。ホントの事だし。

あとですね、どうしてもゲームは視覚的にビデオより弱い。これはもう仕方ない事です。
じゃあどうすればいいかと考えたんですが、ゲームがビデオに勝てる点は「声」です。
そこで僕は思いました。
よし、じゃあ思いっ切りエロくて臨場感があふれてて、声優さんが、勘弁してください僕こんなコト言えませんと泣いて許しを請うようなエロゼリフと喘ぎ声を、これでもかと言う位、たんまりつけてやる!
…そうして、僕の書くエロシナリオはやたら長いと、やんわりと暖かな批評を受ける事になりました。
そう言えば『魂』のエッチシーンを書いた時、社長に素朴な疑問を投げかけられた事があります。

「…睦樹さん、いつもヤってる最中にこんなにいろいろ話すんですか?」

話しませんよ!黙っていろいろとやりますよそりゃ!
イク時に「ぐはあぁぁーーっ!」とか叫ばれたら笑っちゃいますよ!
つーかそれより最近とんと御無沙(以下二行半略)
……えーっと、まぁつまり、プレイヤーさんへのサービスって事です…サービスになったかどうかはともかく。
あと、もうひとつだけ心がけていた事、というか、こだわった事があります。
それはですね、喘ぎ声のリズム。
ヤってる最中ってのは、まぁピストン運動をしながら喘ぐわけですから、長ゼリフは言えないんですよ。
だから「あっ、あぁっ、あっ、もうっ」という具合に、動きが感じられるような喘ぎを意識して書くようにしていました。
ですので、皆さんもエッチシーンでは、ぜひ体(主に腰を中心に!)を前後に揺らしながらプレイしてみてください。
と、あら不思議!臨場感バッチリ!興奮度アップ間違いナシ!……のハズです。
でもまぁ、こんなコト誰も気づいてないだろーなーと思っていたら、友人が「声を聞いてるとね、突いて、突いて、引いて、突いて、っていうリズムがあるよね」
と言ってくれたんですよ!その時はもう思わずソイツの手を取って泣きたくなりましたね。続けて 「やっぱプロの声優さんって上手いよねー」
と言われたので、ぶん殴っちゃいましたけど。
で、またここで僕の悪いクセ、というか恥ずかしいクセを公表しちゃいますが、僕はいちいちそれを声に出してチェックするんですね。
ちょっと想像してみてください。
草木も眠る丑三つ時、パソコンの前で、ひとり男が「あっ、あっ、はあぁっ、んんっ」とか呟きながらキーを叩いているところを…。
…不気味ですね。我が事ながら、ちょっと退きました。うぅ…。

それではまた次回!シーユーアゲイン!


□三回目 「先生、この後呑みに…あ、帰っちゃった…」

皆様こんにちは。
日曜の朝は「ウリボーマン」で始まる白金睦樹です。

いきなりですが皆さん、シナリオを書いたんだから、さぞや簡単にクリア出来たんだろうなぁうらやましいぞコンチクショー、とか思っておられませんか?
まぁ普通はそうなのかもしれませんが、僕はゲームというと、この『炎多留』シリーズしかプレイした事がないというゲーム音痴なので、ハッキリ言ってまったくダメでした。
自分が担当したキャラクターですら、何度やり直しても攻略することが出来ず、社長に泣きついて攻略法を教えてもらった、というのは秘密の事実です。
我ながら、まったく情けないったらありゃしません。
どうも選択肢を器用に間違えていたのが原因だったようですが、ことごとく誤った選択をしてしまう自分は、人としてどうなんだろうと、かなりへこみました。
でもおかげで、これじゃ男も出来んはずだと、自分の生き方について考え直す気になれました。人間、何でも前向きにとらえないとね!

まあ僕の生き方はともかく、「魂」の時は、マメにストーキングしてりゃ何とかなったのに、今回は難しいなぁ、と思っていたのですが、攻略掲示板などを拝見していると、皆さんあっと驚く速さで次々と攻略されているようでビックリです。
シナリオを書いた人間が一般ユーザーさんに遅れを取るなんて、まったくこの世は人情紙風船、ですよ。
恥を忍んで告白しますが、岡田先輩だの橋口だのにいたっては、ルートにすら入れませんでした…。
話を聞くと、選択肢が出て来たところでセーブして、いろんな選択を試してみる、というのが王道のようですね。
でも僕にはそんな面倒な事が出来なくて、その結果、また一からやり直す、というもっと面倒な事をするハメに陥ってしまうワケです。…やっぱ生き方考え直そう…。

あ、どうしてそんな事になったのか、見苦しい言い訳をさせていただくと、僕が考えた選択肢の他に、ゲームとしての面白さを出すため、他のスタッフの方が選択肢をたくさんつけ加えているんです。
自分で考えた選択肢はまだしも、そういった選択肢に関して言えば、どれを選べば好感度がアップするか、というのはわかんないワケですよ。
だからシナリオを書いたとは言え、一応立場的にはプレイヤーの皆さんと同じなわけで…。
……全然違う?
………。
……………。
……はい、わかりました。
とりあえず来年の目標は「人の心の機微がわかる人間になる」と「学習能力を身につける」でいきたいと思います。


それではまた次回!シーユーアゲイン!
 ↑などと書きながら、次回があるのかどうか、だんだん不安になって来ました……。


□二回目 「畑山隊員、その愛と死!←本文にはあまり関係ありません」

こんにちは。
寝酒はアロエ酒、の白金睦樹です。
初回では、いきなりゲームについて壮大に語った挙句、「め っ ち ゃ し ん ど い !」で締めてしまい、各方面からかなり顰蹙をかいましたので、今回も頑張って顰蹙をかいたいと思います。
よろしくおつきあいください。

えーと、前回、小説と占いが本業と書きましたが、小説でもゲームのシナリオでも、僕はまずオチを考えるタイプです。
というか、オチを思いついてからでないと書き始められないという、困ったクセがあります。
ですが今回は、キャラクターによって、いろんなパターンがありました。
例えば岡田先輩の場合ですが、先輩のストーリーに関しては、「山に住んでいる寡黙な男を出そう」と決定した段階で、すぽーんと全体のストーリーが降ってきた感じでした。
ただ、逆にそういうパターンは、シナリオ化するのが案外難しいんです。
全体のおぼろげなストーリーは見えているものの、それをどう具体的に形にしていくか、わかりやすく文章にしていくか、というのが難関なんですよ。
ホントの裏話ですが、岡田先輩がレスキュー隊出身に決定する前には、いろいろ紆余曲折がありましてですね。
自衛隊出身で、ヘリコプターで海難救助を行っている際、強風にあおられてヘリが揺れた勢いで部下が放り出され、その腕を握ったものの…というパターンとか、雪山で遭難した人を救助する際に部下が足を滑らせて…とか増水した川の中洲のようになったところに取り残された人を救助する際に、部下が足を滑らせて…とか。
…なんか書いているうちに、岡田先輩の前身というより、畑山隊員の死に方のパターンがいろいろあったんだなぁ、という気がしてきました。
まぁどっちみち畑山隊員は死んでいただく運命にあったわけですが、そんな不憫な彼にも見せ場はあります。
そう、主人公が崖から足を滑らせ、その腕を岡田先輩が掴む、あのシーンです。
あそこで、主人公の顔と畑山の顔がオーバーラップする演出がなされていますが、ああいうのは文章だけでは絶対に出来ない事で、あのシーンを見た時は、「ははぁ、ゲームだとこんな事も出来るんだー」とビックリしたものです。

で、岡田先輩と言えば、ホタルチックの岡田になったり怪しげグッズの行商人になったり、挙句の果てに無免許医になったりと大忙しですが、実はアレ……。
…社長、言っちゃっていいですか?…いいんですね?ホントに言っちゃいますよ?
はい。言っちゃいます。
実はアレと、「武とママの結婚生活」の4つが公式特典になるハズだったんです。
……ああ、言っちゃった…。
でも、そうすると、カミソリ一年分だとか、火炎瓶だとか、生きたサソリだとか、ナイスなプレゼントが全国津々浦々から届きそうだったので、まぁ現在の特典に変更になったわけです。
は?変更しない方が良かった?そ、そうですか……。


それではまた次回!シーユーアゲイン!


□一回目 「シナリオライター血を吐く叫び」

どうも皆様、はじめまして。
シナリオを担当させていただきました、白金睦樹です。
今回、「サイトで新たなコンテンツを起ち上げる事にしたので、日記でも書いてもらえません?」と軽ぅ〜く指名を受けまして、このようなコーナーを担当させていただく事になりました。
と言っても、シナリオライターの日記なんか読んでも面白くも何ともないでしょうから、今回のゲームを作るにあたっての裏話とかを、まぁ小説で言うと「あとがき」みたいな感覚で書かせてもらおうと思っております。
こういう事が知りたい、などというご要望などもありましたら、お知らせください。外注ライターとしてわかる範囲内の事でしたら、お答えしていきたいと思っております。
励ましのお便り(←一昔前の少年漫画雑誌風味)もどうぞよろしく。

さて今回は、第一回目と言うことで、とりあえずお約束の自己紹介なんぞを。
えー、実を申しますと、僕はシナリオというのは『炎多留』シリーズ以外には手がけたことがなくてですね。
普段はもっぱら小説やらコラムやらを書いたり、占い(!)をしたりしております。
あ、占いと言っても、ママ系の占いじゃなく、兄貴系の方ですよ。
しかしここだけの話、「ママを占師にしよう」という話が出た時は、そりゃもうビックリしました。
それやめときましょう〜!と泣いて頼みましたよ。…あっさり却下されてしまいましたが。

とまぁ、普段はそんな事をやってる僕ですから、当然、初めてプレイしたゲームも『炎多留』、という事になります。
その時の感想は、どひゃー、ゲームのシナリオっつーのはすごいなぁー、でしたね。
例えば小説なら、主人公がいて脇役がいて、こういう出来事があって、それに対し主人公はこう反応して…という具合に起承転結がハッキリしているワケですが、ゲームの場合はそうは行かないでしょ?
プレイヤーの選択によって「承」の部分が変わっちゃうと、結果として「転」も変わっちゃうし、そうなると「結」も全く違うモノになっちゃうんですから。
要は同一の登場人物を使って、オチの違う小説を何本も書くようなモンです。
そう考えると、ちょっとパラレルワールドっぽいですよね。
あの時こうしていれば、自分の人生変わっていたかも…という事は皆さんも考えた事があると思いますが、ゲームっていうのは、まさにその世界なんですねー。
この『炎多留・潮』の武のストーリーに関して言えば、武と共に孤児院を買い取って過ごす人生もありーの、アルコールに溺れた武と全国を放浪する人生もありーの、SMクラブでショーをやらされる人生もありーので、どえらい違いです。
ゲームをプレイしている人間にとっては、それは「ゲームのひとつのエンディング」でしかないでしょう。
でもね、その世界に住んでいる主人公たちにとっては、それが唯一無二の人生なんですよ。
なんだかそう考えると、今の自分以外に、とんでもない人生を送っている自分がどこか別の世界にいるような気がしませんか? うわぁ、なんか壮大なこと書いちゃったなぁ…。
まあいろんなゲームをやられている方からすれば「だから面白いんじゃん。何を当たり前のことを」てなモンかもしれませんが、とにかく僕のゲーム初体験の感想はそんなところでした。
ついでに、ひとりのキャラにつき、いくつもの人生を創造し、シナリオを書く方の感想はといえば…

「 め っ ち ゃ し ん ど い ! 」

です、ハイ。


それではまた次回!シーユーアゲイン!


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