第三話 |
「いつまで湯船に浸かってるんだ。のぼせちまうぞ」 体を洗いながら、岡田は畑山に声を掛けた。 畑山は、さっきから腕をあげたままの姿勢で、身じろぎもせずに湯に浸かっている。 「ほら。体を洗ってやるからいい加減に出て来い」 岡田がそう言うと、畑山はぎこちなく笑いながら答えた。 「あ、いえ。俺は…湯に浸かるだけで充分ですから」 「馬鹿。二日に一度しか風呂に入れないんだ。しっかり洗わないとな!」 「は、はい…」 観念したようにそう言うと、畑山は左手だけでタオルを腰に巻き、ようやく浴槽からあがって来た。 その股間は、やはり不自然に盛り上がっている。 畑山は、おとなしく岡田の前に腰かけた。 岡田も、黙ったままで背中を流し始める。 肩から背中を洗い終え、脇腹をタオルでこすり始めた時、畑山の体がぴくりと動いた。 岡田は、片手を畑山の肩に置き、さらに力を込めて脇腹を洗うと、今度は体の前に取りかかろうとした。 自分の方を向かせようとすると、畑山は弱々しく抗った。 「ま、前は…片手でも大丈夫ですから…」 だが、岡田は強引に畑山の体を回転させ、自分と向き合う姿勢を取らせた。 岡田自身が、たとえタオル越しにでも、畑山の体に触れたかったのだ。 途端に、股間のタオルを持ち上げて屹立している肉棒が目に入る。 畑山は、慌てて左手でそれを隠そうとした。 「た、隊長…はっ、恥ずかしいっす…」 「…気にするな」 岡田は、ぼそりとそれだけ言うと、あの時と同じように、逞しい胸を、太い腕を、そして腹を、黙々と洗い続けた。 腕を持ち上げ、脇の下をこすった時、畑山は再び身をよじり、「んふっ ! 」というような声を漏らした。 そうして…残すところはタオルに隠された部分だけになった。 岡田はタオルを取るべきかどうか、躊躇った。 岡田の脳裏に、一昨日の光景と、この前の恥ずかしそうな畑山の表情が交錯する。そして…絶頂の瞬間の叫びも…。 岡田は畑山のモノを…それも完全に勃起したモノを目の当たりにして、冷静でいられるかどうか、自分でもわからなかった。 実際、タオルで隠れているとはいえ、岡田のモノは畑山の裸体に刺激され、すでに力が漲り始めている。 …さっきみたいに、そこは自分で洗うと言ってくれ…。 岡田は、心の中でそう願いつつ、もう洗い終えた箇所を何度も流し続けた。 だが、畑山は次に洗うべき箇所に手が伸ばされるのを待っているかのように、ただ黙っている。 そして… [続きを読む] [小説TOP] |